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【最終話】「好き」だけでは幸せになれなかった。あの恋が私に教えてくれたこと。

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【最終話】「好き」だけでは幸せになれなかった。あの恋が私に教えてくれたこと。

「もう限界かもしれない。」

そう思ったのは、一度や二度じゃなかった。

毎日泣いていた。

仕事へ向かう電車の中でも。

お風呂の中でも。

子どもが寝たあと、一人になった部屋でも。

「こんな恋愛、やめたい。」

何度そう思っても、スマホが鳴る。

「大丈夫?」

「何してる?」

「今日もかわいい。」

「大好きだよ。」

その一言だけで、また心が揺れてしまう。

彼は、本当に優しい人だった。

だから嫌いになれなかった。

私は何度も別れを切り出した

「もう終わりにしよう。」

そう伝えるたびに、彼は必死だった。

「お願いだから離れないで。」

「本当に好きなんだ。」

「君しか考えられない。」

「一緒になりたい。」

「絶対に幸せにする。」

何度も何度も、そう言ってくれた。

電話越しに泣きそうな声になることもあった。

私が黙ると、

「何でもするから。」

そう言って引き止めた。

そんな姿を見るたびに、

「もう少しだけ信じよう。」

そう思ってしまう自分がいた。

でも、現実は何も変わらなかった

言葉は増えていく。

愛情表現も増えていく。

「世界で一番好き。」

「唯一無二。」

「息をしてくれてるだけでありがとう。」

そんな言葉を毎日のように伝えてくれた。

だけど現実は、一年前と何も変わっていなかった。

朝になれば仕事へ行き、

夜になれば家へ帰る。

休日は家族と過ごす日もある。

私は、いつまでも「待つ側」だった。

どれだけ愛されていると感じても、現実だけは動かなかった。

私が欲しかったのは、言葉じゃなかった

私はブランド物なんて欲しくなかった。

高級なお店もいらない。

毎日「好き」と言われなくてもよかった。

欲しかったのは、たった一つ。

「行動」だった。

一緒に未来へ進もうとしてくれる行動。

隠れなくてもいい恋愛。

誰にも後ろめたさを感じなくていい関係。

普通に手をつないで歩ける毎日。

私は、それだけが欲しかった。

気づいてしまった

ある日、鏡を見た。

そこには、恋をして幸せそうな女性ではなく、疲れ切った自分がいた。

いつも泣いている。

いつも不安。

スマホばかり見てしまう。

返信が遅いだけで苦しい。

家族旅行と聞くだけで眠れない。

こんな恋愛を、私は本当に望んでいたんだろうか。

彼を好きだった。

その気持ちは嘘じゃない。

でも、この恋愛の中で、私は少しずつ自分を失っていた。

初めて彼の立場でも考えてみた

私は彼を責め続けていた。

「どうして決断してくれないの?」

「どうして旅行へ行くの?」

「どうして私をこんなに苦しめるの?」

でも冷静になると、一つだけ分かったことがあった。

彼も苦しかったんだと思う。

父親である自分。

家族を守ろうとする自分。

私を失いたくない自分。

その全部を抱えながら、毎日揺れていた。

だからといって、私の苦しさが消えるわけじゃない。

でも、「悪い人」ではなかった。

ただ、誰も傷つけない答えを探して、誰よりも決断できなかった人だった。

そして、その優しさが、結果として私を一番傷つけていた。

「好き」だけでは幸せになれない

昔の私は、

好きなら何とかなる。

そう思っていた。

でも違った。

恋愛は、好きだけでは続かない。

信頼。

安心。

未来。

そして行動。

その全部があって初めて、人は幸せになれる。

毎日「好き」と言われても、

毎日不安なら幸せじゃない。

毎日会えても、

帰る場所が自分じゃないなら苦しい。

愛されている実感と、幸せは、同じものではなかった。

あの恋は無駄じゃなかった

「あんな恋、しなければよかった。」

そう思った時期もある。

でも今は違う。

あの恋があったから、

私は自分がどんな恋愛を望んでいるのか知ることができた。

私は待てる人間じゃない。

隠れる恋愛は向いていない。

安心して笑える恋愛がしたい。

堂々と手をつないで歩きたい。

「彼女です。」

そう紹介してもらえる恋愛がしたい。

それが、私の本当の幸せだった。

今、同じ恋で苦しんでいるあなたへ

もし今、この物語を読んでいるあなたが、誰にも言えない恋をしているなら。

苦しいよね。

好きだから離れられないよね。

私も同じだった。

だから、「すぐ別れたほうがいい」なんて簡単には言えない。

でも、一つだけ伝えたいことがある。

恋愛は、毎日泣くためにするものじゃない。

誰かを好きになることは、本来もっと温かくて、安心できるもののはず。

もし笑顔より涙のほうが多くなっているなら、一度だけ、自分に問いかけてみてほしい。

「私は、この恋愛で幸せになれている?」

その答えを知っているのは、きっとあなた自身だから。

あとがき

この物語は、私が実際に経験した恋をもとに書きました。

登場人物や一部の出来事は、プライバシーに配慮して表現を変えています。

この恋が正しかったとは思いません。

誰かに勧めたい恋でもありません。

それでも、あの時間があったからこそ、私は「本当に幸せな恋愛とは何か」を知ることができました。

もし、この物語が今誰にも言えない恋に悩んでいる誰かの心を少しでも軽くできたなら、それだけで書いてよかったと思います。

そして次に恋をするときは、「好き」だけではなく、「安心して笑える毎日」を選べる自分でいたい。

今は、心からそう思っています。

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